遺伝子ではない遺伝子(?)を、大量に発見 (02.12.5)

慶應義塾大学先端生命科学研究所(冨田勝所長)の研究グループが、理化学研究所の林崎良英博士らが中心になって収集した大量のマウスの遺伝子情報を、コンピュータ解析した結果、細胞内には蛋白質に翻訳されない謎の遺伝子転写産物が大量に存在することが明らかになりました。

通常、細胞内の各遺伝子はRNAに転写された後、蛋白質に翻訳されて生体機能を発揮します。ところが、マウスの細胞内のRNAを網羅的に解析したところ、蛋白質に翻訳されてないと推測されるRNA(non-coding RNA)を4000種類以上確認した。Non-coding RNAの存在自体はかねてより知られていましたが、これだけ大量に同定したのは本研究が世界ではじめて。このことは、今後のバイオテクノロジーや医療・創薬研究に大きな影響を与えると考えられます。

研究を行ったのは慶大先端生命科学研究所の沼田興治氏(大学院生)、金井昭夫助教授、斎藤輪太郎講師、および冨田勝教授のグループで、理化学研究所ゲノム科学総合研究センター林崎研究室、英国サンガー研究所、オーストラリアのクィーンズランド大学の研究者らとの共同研究。理化学研究所の林崎博士は慶應大学先端生命科学研究所の客員教授もつとめており、かねてよりの研究協力が実を結んだ。この研究成果は12月5日号の英学術誌Natureに一部掲載されました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・山形新聞 12/13
荘内日報 12/19 1面

細胞シミュレーションの産学協同「E-CELLコンソ−シアム」始まる (02.11.28)


慶應義塾大学では、日本のソフトウェア/バイオ技術を結集させ、世界最高水準の細胞シミュレーションシステムを開発することを目的とした「E-CELLコンソーシアム」をたちあげました。

世界でゲノム研究が進む中、細胞シミュレーションは医療、創薬、バイオテクノロジーの各分野に将来大きく貢献するものとして期待されています。1995年に細胞シミュレーション「E-CELLプロジェクト」を発足し、世界に先駆けた研究活動を展開してきた冨田研究室では、今後もこの分野でリーダーシップをとっていくために、日本のバイオインフォマティクス分野に関連した企業を束ね、All Japan Team「E-CELLコンソーシアム」を結成しました。

各メンバー企業は、若手研究者を慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスまたは鶴岡タウンキャンパス先端生命科学研究所に派遣し、E-CELLプロジェクトの一員として慶應のスタッフや学生達と一緒に研究を進めます。

10年後に細胞シミュレーションが本格的に産業応用されるようになったとき、これらの技術が各企業のそして日本の基盤として、重要な役割を担うものとなることが大きく期待されます。

<メンバー企業>(順不同、契約検討中も含む)
三菱スペース・ソフトウエア株式会社
インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス株式会社
株式会社 日立製作所
シスメックス株式会社
日本アイ・ビー・エム株式会社
三井情報開発株式会社
株式会社NTTデータ
ヒュービット ジェノミクス株式会社

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・日本経済新聞 11/12
・日刊工業新聞 11/25 5面
・日経産業新聞 11/26 9面
荘内日報 11/27 1面トップ
・日本経済新聞 11/27 11面
朝日新聞 11/28 3面
・山形新聞 11/29
荘内日報 11/30 1面
・「ニュースの森」(テレビユー山形) 11/29放送
・日本経済新聞 12/1 28面

バーチャルバクテリアへ向けて国際コンソーシアム設立
  〜先端生命科学研究所で第1回国際会議開催へ〜 (02.11.18)


バクテリアを丸ごとコンピュータ上にシミュレーションして再現する、という生物学の究極の目標達成に向けて、各国の主要な研究プロジェクトがお互いに協力しあい、国際コンソーシアムが設立されることになりました。その第1回の国際会議「1stIECA Conference on Systems Biology of E.coli」が、2003年6月23日〜25日、鶴岡の慶應義塾大学先端生命科学研究所で開催することが決定しました。

2002年11月8日から10日にかけてロンドン郊外にあるGlaxo Smith Klineの研修施設に9カ国21人の大腸菌研究者とバイオインフォマティクス研究者が集まり、この国際コンソーシアムのミッションや協力方法などを話し合いました。

発起人となったのは、Barry Wanner (米国、EMC2プロジェクト)、Mike Ellison(カナダ、プロジェクトCyberCell)、Igor Goryanin(英国、Glaxo Smith Kline、E.coli WCMプロジェクト)、そして冨田勝慶大教授(E-Cell・E2coliプロジェクト)の4人。この他に会議には森浩禎奈良先端科学技術大学院大・慶大教授をはじめ、ドイツ、フランス、デンマーク、メキシコ、イスラエルの各国の大型プロジェクトのリーダー達が出席しました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・日本経済新聞 11/18 19面
・日刊工業新聞 11/20 5面
山形新聞 11/20夕刊 1面トップ
荘内日報 11/21 1面トップ
・読売新聞(全国版) 11/25夕刊
・読売新聞(東北版) 11/26 31面


冨田所長、第16回日本IBM科学賞を受賞する (02.11.08)
 

慶應義塾大学先端生命科学研究所所長の冨田 勝教授が、第16回日本IBM科学賞を受賞しました。

日本IBM科学賞は、日本の科学分野の学術研究の振興と若手研究者の育成に寄与した独創性豊かな研究者に送られる賞です。その他の受賞者/歴代の受賞者についてはこちらをご覧ください。

冨田教授は受賞に際し、「学生達とあれこれ試行錯誤して得た研究成果ですので、研究室を代表して賞をいただいたと思っています。」とコメントしています。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。
・山形新聞 11/12 20面
・日本工業新聞 11/12
・日刊工業新聞 11/12
・読売新聞(全国版) 11/12
荘内日報 11/13 1面トップ記事
・読売新聞(東北版) 11/13 33面
・朝日新聞(東北版) 11/16 22面


リボヌクレアーゼH国際会議 開催される (02.09.26)
 

慶應義塾大学先端生命科学研究所にて、リボヌクレアーゼH国際会議が開催されました。この国際会議は米国立衛生研究所が主催する会議で、1990年に始まり今年で7回目の開催となるものです。リボヌクレアーゼH(RNase H)の構造や機能に関する基礎研究からエイズ治療薬やアンチセンス治療薬の開発に関する応用研究に至るまで、世界8カ国から集まった約50名の研究者が活発な討論を繰り広げました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・山形新聞 9/26 18面
荘内日報 9/27 1面


日米合同ワークショップ 開催される (02.09.19)
 

慶應義塾大学先端生命科学研究所にて、日米合同ワークショップ「有用微生物のシステム生物学」(日本バイオインフォマティクス学会バイオシミュレーション研究会)が開催されました。このワークショップは、米国エネルギー省・(財)バイオインダストリー協会・当研究所の主催、NEDOの後援で開催されたものです。米国研究者11名を含む、国内外の21名の研究者が口頭発表を行い、59の演題のポスター発表が行われました。

(詳細はこちらへ)

このニュースは下記のメディアでも報道されました。
・荘内日報 9/18 1面 トップ記事

ゲノム解析新ソフト「G-language」、国際学会にて受賞 (02.08.08)


慶應義塾大学環境情報学部4年の荒川和晴君が中心となってSFC/TTCKで開発したゲノム解析ソフトウェアが、国際学会で賞をとりました。

Intelligent Systems for Molecular Biology(ISMB2002, Aug 3-8, Edmonton, Canada)はバイオインフォマティクス分野では最もメジャーな学会で、世界各国から約1500人の参加者を集め、約500のポスター発表の中から受賞した"ISMB Best Poster Award"のひとつに選ばれたものです。

この"G-language GAE"というソフトは慶應大学でバイオインフォマティクスを専攻する学生約10人が過去2年に渡って開発したもので、グラフィックインターフェースを充実させ、コンピュータに詳しくない実験科学者でも簡便に使用できるようにしました。発表会場でも多くの研究者の関心を引き、配布用CDが飛ぶようになくなりました。

学会最終日の表彰式には賞状と賞金が授与されました。このような名誉ある賞の受賞者が大学生であったことは学会参加者に驚きを与えました。

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・日経産業新聞 8/22

慶應義塾大学先端生命科学研究所、初の特許取得 


慶應義塾大学先端生命科学研究所(冨田勝所長)は、「陰イオン性化合物の分離分析及び装置」に関する特許を取得しました。(特許証はこちら

同研究所の分析化学グループ(西岡孝明教授・曽我朋義助教授ら)では、細胞内物質を網羅的に計測する方法の研究を行っています。今回の発明のポイントは、特殊なキャピラリーを用いて、 これまで困難とされていたキャピラリー電気泳動-質量分析装置による陰イオン性物質の一斉分析法を可能にした点にあります。

この方法を用いることで、同大先端生命科学研究所で研究が行われている細胞内の陰イオン性代謝物質の一斉分析が可能になり、メタボローム(全代謝物質)測定を飛躍的に進歩させました。メタボローム測定及び解析は、医療・創薬などの多くの分野において応用可能なものであり、各分野の研究に新しい一石を投じるものと期待されます。

今回の特許取得は、1998年に同大学が知的資産センターを設立しTLO活動を本格的に開始して以来、慶應義塾大学で15番目、鶴岡タウンキャンパスでは初の事例です。

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BIOTECHNOLOGY JAPAN
荘内日報 8/22 1面 トップ記事

バイオ・ファイナンス・ギルド 開催される (02.08.05)
 
慶應義塾大学先端生命科学研究所で、日経BP社主催の投資家を対象としたプログラム「バイオ・ファイナンス・ギルド」が開催されました。12名の投資家関係者が、バイオテクノロジーとコンピュータサイエンスの先端技術を体験しました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。
・荘内日報 8/6 1面
・BIOTECHNOLOGY JAPAN

サマーバイオカレッジ2002 開催される (02.07.31)
 
慶應義塾大学先端生命科学研究所で、鶴岡市と慶應義塾の一貫教育校の高校生を対象としたプログラム「サマー・バイオ・カレッジ2002」が開催されました。20人の高校生が、3泊4日の合宿生活を送りながら、バイオテクノロジーとコンピュータサイエンスの先端技術を学びました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・山形新聞 8/1 18面
・荘内日報 8/2 1面

Bio Simulation Training Program開催される (02.07.19)
 
慶應義塾大学先端生命科学研究所で初の試みとなる外国人を対象としたプログラム「バイオ・シミュレーション・トレーニング・プログラム」が開催されました。12カ国から参集した17人の外国人学生・研究者が、11日間のレクチャーや実習を通じて、バイオシミュレーションについての基礎知識と技術を習得しました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・荘内日報 7/17 1面 トップ記事
荘内日報 7/20 1面 トップ記事
・コミュニティ新聞 8/1 8面


慶應義塾大学先端生命科学研究所
 Nature誌に特集記事が掲載される (02.06.27)
 
英国科学誌Natureのvol.417 6/27号に、慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究活動に関する特集記事が掲載されました。

詳細については、
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v417/n6892/full/nj6892-07a_fs.html
をごらんください。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

荘内日報 7/13 1面 トップ記事


細胞内の代謝物質を同時一斉分析
メタボローム分析システムの新技術を開発
(02.05.10)
 
慶應義塾大学先端生命科学研究所の西岡孝明教授と曽我朋義助教授らは、 画期的な化学分析手法を開発しました。
ごく微量の細胞抽出液から数百種類の細胞内代謝物質の量を一斉にわずか30分程度で測定できるというもので、 ポストゲノム時代における、バイオテクノロジーの日本発新兵器となることが期待できます。
この研究成果は、Analytical Chemistryという国際論文誌の5月15日刊行号のAccelerated Articles(最注目記事)として 巻頭を飾りました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・朝日新聞 東京版 5/9朝刊 3面
・毎日新聞 東京版 5/10朝刊 3面
日本工業新聞 5/10朝刊 2面
・日刊工業新聞 5/10朝刊 5面
BIOTECHNOLOGY JAPAN
山形新聞 5/11朝刊 23面
荘内日報 5/12 1面
・日本経済新聞 5/13朝刊 19面
・朝日新聞 山形版 5/23朝刊 30面
・読売新聞 山形版 5/25朝刊 37面
・読売新聞 5/27夕刊 2版5面
・日刊工業新聞 6/4朝刊 9面

慶應義塾大学先端生命科学研究所
 2002年度 アジレント・テクノロジー 大学助成プログラムに選出される (02.03.28)
 
慶應義塾大学先端生命科学研究所が、アジレント・テクノロジー株式会社の大学助成プログラムに選出され、キャピラリ電気泳動/質量分析計などの 同社製品が寄贈されることになりました。
このプログラムは、アジレント・テクノロジー株式会社が科学技術の振興を目的とし、社会貢献活動の一環として世界規模で行なっているものであり、 今年は慶應義塾のほかに山形大学・早稲田大学が選出されました。

詳細については、
http://www.agilent.co.jp/newsjp/fy2002/ge09univ_grants.shtml
をごらんください。


4/26 バイオラボ棟で開催された同授与式より
左から、曽我助教授、横川アナリティカルシステムズ(株)菅野社長、冨田所長



ゲノム解析新ソフト「G言語」を開発 (02.01.10)
 

慶應義塾大学先端生命科学研究所の冨田研究室が開発したゲノム解析プログラム「G言語」が国内外の学会に発表され、注目を集めました。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。



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